大島一朗先生から「お茶の水橋の都電レール遺構についての私見」を頂きました

鉄道レールについてとても詳しく研究されている大島一朗先生(産業考古学会理事)が、今回出土した「溝付きレール」と「官営八幡製鉄所製の溝なしレール」について、大変詳細な所見を送って下さいました。先生のご承諾を頂いてここに公開します(PDF版とJPEG版は同じものです。)。

JPEG版:

なお、お茶の水橋の現場からは、米国Lorain Steel社製のレールも出土したとの情報もあり、現在、千代田区に確認をお願いしています。

「お茶の水橋都電遺構」の産業遺産としての価値

FacebookグループとTwitterを中心とする保存会の活動を通じて、「お茶の水橋都電遺構」の産業遺産としての価値に関する情報が、たくさん集まってきました。集合知の力の大きさに感謝しております。ありがとうございます。

保存会執行部において、「お茶の水橋都電遺構」の産業遺産としての価値に関する情報をとりまとめた参考資料を作成しました。問題提起にとどまる事項も多く、保存会としてさらに検討を続けるとともに、学術専門家の方々が、本格的に取り上げて下さることを希望・期待しております。

お茶の水橋から「官営八幡製鉄所」製のレールが出土

お茶の水橋からは、これまで、1930年英国製の「溝付きレール」の他に、「溝なしレール」も出土していました。この、「溝なしレール」の写真を千代田区からご提供頂き、保存会にて分析したところ、官営八幡製鐵所で1930年に製造された国産のレールであることが判明しました。

(千代田区よりご提供)
(千代田区よりご提供)

「官営八幡製鐵所」とは、1901(明治34)年に操業を開始し、日本の製造業を支えてきた、教科書にも載っているあの著名な製鉄所です。http://www.japansmeijiindustrialrevolution.com/site/yawata/component01.html


上の写真の左端に、官営八幡製鉄所のマークが刻まれており、右には「1930」の文字が見えます。

官営八幡製鉄所のマーク

また、このレールは、「ハイ・ティーレール」という、路面電車専用のレールであることもわかってきました。

保存会では、さらに、お茶の水橋から出土したレールの価値について分析を進めて参ります。

テレビ朝日「グッド!モーニング」で都電遺構が取り上げられました

2020年2月3日(月)の記事で予告していましたとおり、テレビ朝日の早朝情報番組「グッド!モーニング」が、2月4日(火)早朝6:50ごろから「都心の工事現場から都電の線路」というタイトルで、お茶の水橋の都電遺構を取り上げて下さいました(Abema TVでも、同日8時20分ころから再放送されました。)。

保存会としては、「今回出土した都電遺構は、都民の共有財産である」「レールと敷石をそのままの形で保存していただきたい」とのコメントを取り上げて下さったことに感謝しております。

実は、保存会が取材の申し込みを頂いたのは2020年2月2日(日)の20時すぎ、お茶の水橋の現地で保存会のメンバー2名が取材を受けたのは翌2月3日(月)の午後でした。それから放送まで約20時間という短い間に、お茶の水橋の都電遺構の存在を広く世に知らせ、その価値を飛躍的に高めた番組を制作して下さったことについて、「グッド!モーニング」のデスクを始めスタッフの皆様、特にディレクターの原田茜さんに、保存会としてとても感謝しています。ありがとうございました。

第2区画からレールと敷石が出土

今朝(2020年1月23日)のお茶の水橋の様子です。工事は第2区画に進んでおり、表面のアスファルトが剥離され、何と、レールと敷石が、ほぼ原形と思われるかたちで出土しています。

現場に行くことができる方は、ぜひ、足をお運び下さい。

敷石、美しいです。カーブに合わせて敷石が刻まれています。この上を都電が走っていた様子にとどまらず、街全体が手作りだった戦前の街全体の光景が目に浮かぶようです。ホンモノが持つ力を感じます。

ただし、第2区画全体に、さいの目状にノコギリが入れられており(50cm四方ほどでしょうか。)、敷石もレールも切り刻まれてしまっています。さいの目のノコギリは、JRお茶の水駅の出入り口前のトラックの下あたりまで入れられていました。

千代田区からは、ノコギリを入れる工法は、予算と工期の関係上、致し方ないと伺っています。ですが、これだけ美しい遺構が切り刻まれてしまっている痛ましい様子は、胸に迫るものがあります。

幸い、もう1本線路はありますので、そちらは何とか原形をできるだけ保つ形で保存していただけないか、保存会として働きかけていきたいと考えています。

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